3月15日へ

20001.03.16(金) 術後10日目
入院15日目。 てんき快晴のちあめ。今日はD先生が自分でワゴンを押してこられた。すぐにE先生が登場。いつもより少し鼻声。「今日は花粉が飛んでますよねー」と意気投合してしまう。私たちデリケートなんですよー。ねーE先生!「ガーゼも取っちゃおうか」ということで、大きなカットバンが2枚だけ脇のほうに貼られて、そのままになった。先生が「傷をもう見てみる?」といわれて「とうとうその時が来てしまったか」と思った。恐る恐る下を向く。思いのほか左のほうから入っている傷口に目が行く。かさぶたの色やあとももだ生々しく、普通だったら気分が悪くなるかも。でも、これに慣れていくしかないから。自分が受け入れるしかないから、目をそらさずにしっかり見る。
D先生が「どう?」「ま、こんなもんですかね」と返す。でも実は心臓はバクバク。背中はゾクゾク。E先生が「ここがホッチキス(苦笑)のあとなのね」と説明してくれる。皮膚のほうの色が黄色いのは消毒のイソジンの色、かさぶたは徐々に取れていって、しばらくすれば白い傷のみが残ること。入院する前にMちゃんに見せてもらっていたし、触らせてもらってたので、将来的にはこうなるんだなと予想はできた。先生にそれを言うと、苦笑されたけど、洋服だって買うときは試着するんだし、ましてや自分の体が手術を受けたらどうなってしまうか、知りたいのは当然だと思うけどなあ。洋服と違ってに気に入らなくてもすぐに修正できるものでもないし。修正するのはお金もかかるし。写真で見るのと「生」で見るのはぜんぜん違う。写真だけしか見てなかったら、もっとショックも大きかったし、多分泣いてしまったと思う。私は入院前に見せてもらって本当に良かったと思っている。もし今後、MLに福岡の人が入会してきたり、知ってる人が乳がんになったり、この病院に入院した患者さんが傷跡を実際に見たいといったりしたら、私は見せてあげたいと思う。「見せたがり」とかではなく、その人のショックを少しでも小さくできるように。
その後、回診があり、別の先生から「どうやって病院の中でインターネットしてるの?」と聞かれた。ロビーにはグレーのモジュラージャックつき公衆電話があるので、それでこのページをアップしたり、メールを見たりしているのだ。さすがに「ネットサーフィン」はしてないけど。もし「グレ電」がなかったら、P-inConp@ctでも買って1階ロビーからやるしかないと思ってた。「ノートパソコンだったらカードタイプのPHSのほうがいいのでは?」とおっしゃったけど、「病室に、携帯電話の持ち込みはまずいんでは?」「でもあれはPHSだからいいんじゃない?}と話していたら、婦長さんが「今はどちらも遠慮いただいてます!」と「婦長の威厳」を持って言われた。「電話の形してないから分からないよね?」とか盛り上がってしまった。
回診後、部屋に残られたE先生に「やっぱりさっきはショックでした」と言ったら、いろいろフォローしてもらった。「もし先生が乳がんになったらどう(温存か、全摘か)しますか?」と聞いたら、「部位次第かな」と。
脂肪からごっそりという感じで取られているので、左胸より右胸が全体的にへこんでいる。「これは少しは厚くなったりしますか?」と聞いたら、脂肪組織は再生しないので、このままちょっと段差(というほどでもないけど)があるままらしい。太って全体的に脂肪がつくなら話は別だけど。胸筋のすぐ上に皮膚があるから、冬は寒く感じるかもしれないということだった。
それから重要なこと。太るのは禁止!なのだ。なぜかというと、脂肪細胞はエストロゲンという女性ホルモンを溜め込んでしまう。だから、太って脂肪が増える=エストロゲンがたまる=癌のえさになる場合がある ということなのだ。太目の人がお肌がツヤツヤなのはここに理由があるらしい。
外来診察日だったMちゃんがお見舞いに来てくれた。何度も本当にありがとう。さっき聞いたばっかりの「太るのは禁止」とリハビリの話で盛りあがる。外来診察時に毎回「今何キロ?」と聞かれるんだそうだ。体重計を買わなければ。体脂肪計つきにしようかしら。
Mちゃんのお友達のそのまたお友達の方が、子宮ガンになってしまったそうだ。子宮ガンは今芸能ニュースではホットな話題。私が入院した日にキャスターの人が亡くなってしまったし、、闘病中の芸能人もいる。(芸能人と書いているけど、別に芸能ニュースやワイドショーが好きなわけじゃないです。ただ、どうしてもみんなが知っている話題と考えて、例を出しているだけですのであしからず)子宮ガンと乳がんとどっちがつらいかな?という話になってしまった。比べられるようなものでもないけど。
本当に、癌なんてなるものじゃない。
さて、13時からリハビリ。今日のマッサージは痛かった。あうー。涙でそう。リハビリ室でおんなじ乳がんの患者さんにも会った。
リハビリの先生に今後の計画について質問。長い人だと2週間ぐらいかかるらしい。明日とあさってはリハビリはお休みなので、自主トレの宿題をもらう。
夕方来られたE先生に、リハビリの経過を話す。しばらくは通院でリハビリに通うことにして、20日退院OKでしょう、といわれた。やった!おうちに帰れる!!!!
「温泉に行きたいんですが・・・」と聞いたらあっさり「どーぞ!」と返された。「温泉でも、海外旅行でも、なんでもしていいんだよ!」ふっふっふ。聞いたぞ!温泉!行くぞー!!!そのために下の売店で「外戸本」を買って眺めているのだ!
木曜日手術の人が病室に帰ってきた。まだほとんど動けないので、タオルを絞ってきたり、口をゆすいだのを捨てに行ったり、ほとんど「おさんどん」になる。3人動きにくい状態の人がいるので、お茶を替えたり、食事のトレイをひいたり、点滴がなくなったらナースコールしたり、忙しい!ま、これもリハビリの一環かな。
※「外戸本」とは、月刊の九州、山口の温泉、レジャー、グルメガイド。小さくて安い(\290)ので愛読してるのだ。
夕食後、D先生が来られた。退院後の生活について細かい注意事項。
・無理は禁物。元のペースまで、3週間から1ヶ月ぐらいかけること。
・きつくなったら休むこと。睡眠時間は十分に取ること。疲れを翌日に残さないこと。
・何を食べてはいけないということはないが、成人病の予防もかねて、野菜をたくさん取る食生活にすること。(癌の上に成人病になったらたまらないもんね)
・車の運転も問題ない。少しならしてから運転するように。ただ、シートベルトがあたると痛いことがあるから注意。
・重いものを持ったり、重くないものでも長時間右手で持つのは禁止。同じ姿勢で長時間何かをしつづけるというのもあまりよくない。リンパ浮腫は予防が第一。
・家に帰っても滑車をつけてもらうなどして、リハビリは怠らないように。
などなど。
先生、これからもお世話になりますがどうぞよろしく。
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